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2005/03/27

パニック!その2の6

 相手のあまりの非力さに、殺意を削がれてしまった俺だが.....。

---前回からのつづき---
 侵入者の腕を掴んだまま、次の行動に移れずにいたところ、しばらくして一緒にいた板前さんがやっと加勢に来てくれた。(そういえば、あんた今まで何してたんだ?)と、その時は思ったが、自分にとっては長い時間と感じられたものの、おそらく俺が飛びかかってから十数秒しか経過していなかっただろう。板前さんは侵入者を背後から羽交い締めしてそのまま床に倒れた。

「早く警察呼べっ!」

板前さんの言葉に呼応するように、もう一人居た女将さんが近所の警察署へ走りだした。・・・近所に警察署があるなら、電話するより直接行った方が話が早い。下手に 110 番通報しようものなら、まず、相手が出るまで結構待たされる。一旦、警察のコールセンターみたいなところにつながるようなのだが、しばらく呼び出し音が鳴るばかり、なかなか電話口に出てくれない。おそらくその間、発信元(通報者)の逆探知でもしているのだろう。しかも一通り状況を説明してから、やっと最寄りの警察署などへ連絡が行くので、焦って電話している身ともなればじれったくて仕方がないのだ。結局警察署が近所でも数十分待たされることになる。直接行けば数分で済むのに。・・・現在では状況がどうなっているかは分らないが、とにかく当時はそういうものであった。

 ガタイの良い板前さんに羽交い締めされた侵入者は観念したように大人しくなっっていた。板前さんの興奮した鼻息だけが妙に耳に付く。何処か冷めた目で床に転がった二人を見ている自分が居る。侵入者は、ひ弱としか言いようがない痩せこけた男で、俺は何を恐れていたのかと、馬鹿馬鹿しくなった。取り上げた凶器も、よくよく見ればそれはただの錆びたノコギリであった。自分は冷静だと思っていたのが如何に勘違いであったか思い知らされる。
 間もなくパトカーのサイレンが近づいてきた。駆けつけた警察官が男に手錠をかけ連行する。自分たちも事情聴取のために警察署へ行くことになった。

---つづく---

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