2007/03/25

天才! 味覇(ウェイパー)!

 ホリエモンの記事、何度も書こうと思って頭の中で試行錯誤を重ねるが、単なる悪口になりそうで困っている。そんなつもり無いのにさ。ということで、先延ばし、というか書くのをやめよう!(笑)

 さて、Tapas & Tapas(タパス タパス)という、なかなか美味しいパスタ屋さんがあって、時々その店で、お付き合いのある社長さんから、お昼をごちそうになったりする。そこの人気メニューのひとつ、“タパス風スパゲティ”っちゅうのが、オイラの好みでイチ押しだ。味は和風ということだが、十分イタリアンだと思うぞ。
 そいつを日頃から自宅で作れたらいいのにな、と、思っていたところ、ある日突然出来そうな気がしたので作ってみたらば出来ちゃったという、俺天才! 的な出来事を、個人の喜びの範疇で押しとどめることが出来ず、ここに自慢する訳なのである。読者は我慢して読み進めるべきだ。

 まず、秘密兵器を紹介しておこう。簡単便利で本格派、半固形調味料“味覇(ウェイパー)”君だ!
味覇(ウェイパー)
要するに中華ダシなんだが、これひとつあれば、中華あんかけや野菜炒めもお店の味になっちゃうよ、って代物。実際、密かに使っている店もあるに違いない! と、勘ぐりたくなる素晴らしい製品だ。使い方は簡単。半固形なので
半練りタイプ
予めお湯に溶かして準備しておくだけ。だいたい料理一人前で小さじ一杯強といったところ。これ自体に十分塩味が付いているので、野菜炒めの時などは炒め塩は少し控えておこう。
 さて、次項、LUKE 的応用と実践なのだ!

《“タパス風スパゲティ”風スパゲティの材料》
  1. スパゲティ(人数分:適量)
  2. 味覇(人数分:適量)
  3. ニンニク(適量)
  4. 輪切り唐辛子(適量)
  5. シーフード(イカ、エビ、貝など適量)
  6. 炒め油(お好みでオリーブ油)
  7. バター(少々:香り付けが目的。入れ過ぎはくどいよ。)
  8. 海苔(適量)
  9. 貝割れ大根、または長ネギ(適量)
《作り方》
  1. 大きめの鍋に火をかけ湯を沸かす。
  2. その間ニンニクはみじん切りにしておく。
  3. 味覇を湯に溶かしておく。
  4. 海苔は食べやすい大きさに刻んでおく。
  5. 貝割れはさっと洗って水気をキッチリ切っておく。
  6. 鍋の湯が沸いたら、そこへ塩を適量とスパゲティを投入。
  7. フライパンに油をひき、↑のニンニクを投入。
  8. 続いて輪切り唐辛子を投入。
  9. ↑の唐辛子が焦げないうちに、シーフードを投入
  10. 湯に溶かしてあった味覇を投入。沸騰すればソース完成。水っぽそうだが、パスタが水分を吸うので大丈夫。
    ソース完成
  11. スパゲティを規定時間より2分程度早めにザルに空け、湯切りした後、鍋に投入。
  12. 鍋をあおってソースを絡め、香り付けのバターを投入。
    良く和える
  13. 皿に盛りつけ、貝割れ大根、海苔をのせて完成。
    完成

 写真では貝割れの変わりに万能ネギを使っています。白髪ネギや芽ネギも美味しいよん。香り付けのバターの代わりに、ごま油を使うとあっという間に中華風だ、というより本来は中華ダシだったっけか。個人的には本家に勝った! と自画自賛して一方的に思ってるけど、それというのも味覇のおかげ。

 奥さん、いやお嬢さん。便利ですよ。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005/05/19

ジンギスハーン襲来!(北海道あれこれ外伝)

 狂牛病問題で不安を感じる消費者や、実際の輸入規制もあって、牛肉がちょっと嫌われ気味な昨今。それに代わって消費が伸びているのが羊のお肉なのであ~る。東京あたりじゃ軒並みジンギスカンのお店が開店しているとの事。なんでも  TV の健康番組で羊肉がヘルシーだと紹介されたのがキッカケらしいが、理由はそれだけじゃない。チルト冷蔵など、肉の風味を壊さない輸送法が開発されたことも手伝って、羊肉(ラム)の旨さに皆が気づき始めたのだ。

 北海道は、帯広に、“みどり食堂”というジンギスカンしかやってない、さほど大きくもない店がある。7~8年前、現地で仕事が終わった際に、夕食に連れて行ってもらった場所がそこだった。以前食べた記憶が定かでないほど久しぶりのジンギスカン。たいして良い印象も残っていなかったが、この“みどり食堂”の肉を一口食べて印象が一変した。これほどラムが旨いとは思わなかった。懸念していた臭みなど微塵もない。1cm 以上も厚みのあるラム肉は、ミディアム・レアで食うのが正しいらしく、焼きすぎると店のオバチャンが見てられないとばかりに、テーブルまでやって来てくれて優しく焼き方をレクチャーしてくれる。が、更に信じられないのが、その相当旨い肉の味を上まわらんかとする、肉の付けダレだ。味は味噌と醤油の二種類があるのだが、どちらも絶品。それを舌で分析しようとしたが、サッパリお手上げ。完璧なバランスが、味の複雑さを感じさせない。通常ジンギスカンのタレには、甘みにリンゴなどの果物を使う。しかし、使えばわかるはずだが、“みどり食堂”のは本当にわからなかった。あの上品な甘みはどうやって出しているのか? もう太刀打ちできない旨さであった。(今思えば白ワインかな? とも思うが。)
 おすすめは味噌味かな。ジンギスカン特有の鍋ではなく、平たい鉄板で半分煮込むように焼くのが珍しいし、ガツガツ食べられる。

 帯広に行ったら、駅でタクシーに乗り、「みどり食堂」といえば間違いない。一度行ってみよう。北の大地にジンギスカンの極北がある。

| | コメント (1) | トラックバック (1)

2005/04/24

オレンジ色の憎い奴!

 先月鶏肉の四川風煮込みを作った時に、風味付けに自家製ラー油をちょっと加えようと思ったら、なんと! 傷んでいるではありませんか!.......ガックリですよ、もうガックリですよ。可愛い可愛いラー油ちゃん。美味しい美味しいラー油ちゃん。ゼリー状のブヨブヨが発生して、なんだか気味の悪いことになっています。でも、そうなった原因に、ちょっと思い当たる節もあるのだが、それは追々、作り方と共に説明しようじゃありませんか。

《材料》

  1. ごま油
  2. 唐辛子
  3. ニンニク
  4. ショウガ
  5. 長ネギ
  6. 山椒の実(中国産花山椒がベスト)
  7. ごま(&すりごま)

1~5は必須。6、7は、あると風味がアップ!

《作り方》

  1. ごま油を、ラー油を作りたいだけ鍋に注ぐ。ちなみに俺流レシピでは太白胡麻油(写真左)をメインに使用。色も風味も淡泊でクセが無く、ラー油のベースに最適だと思う。ただし、ごま特有の香りもマイルドすぎるので、完成後に一般的な胡麻油(写真右)を加えるといい。
    左が太白
  2. 香味野菜の長ネギ、ショウガのスライス、ニンニク(皮付きのままでOK)を適当な分量入れて、鍋に火をかける。火の加減はあまり強すぎないよう、じっくりと香味野菜から風味を抽出する感じで。(油に煙が立つようでは完全に強すぎ。)
    あまり高温にしないように気をつける
  3. 油の風味を引き出している間に次の準備をしよう。ステンレスのボールに唐辛子を好きな分量だけ入れる。俺流では8:2の割合で、韓国唐辛子(写真右&注)と、一般的な唐辛子(写真左)をブレンドするのがベストだと思っている。韓国産は色も鮮やかな深紅で、出来上がった時のラー油の色がとっても綺麗。しかも唐辛子なのに複雑な味わいがあって素晴らしい。しかし、辛さがマイルドなので、一般的な唐辛子で辛さを補完しておく。また、あれば、この時点で山椒の実、ごま、すりごまを自分が旨いだろうなという分量だけ混ぜておく。
    一度使ったら病みつきの韓国産唐辛子
  4. ブレンドした唐辛子に(2)で熱した油を注ぐことになるわけだが、いきなり注ぐと、唐辛子が焦げてしまう。それを防ぐためにも、ショウガの絞り汁を、唐辛子が全体的にしっとりとするまで振りかけておく。
    深爪野郎の俺
  5. (2)の長ネギに香ばしい揚げ色が付いたら、油の準備もOK。菜箸などでかき混ぜながら(4)の唐辛子に注ぎ入れる。この時、唐辛子にまぶしたショウガ汁が蒸発して、ジュワジュワーっと炭酸のように沸き上がるのでビックリしないように。量が多いなら、無理せず何回かに分けてやろう。(日持ちが心配なら、このまま弱火にかけて、水分を蒸発させる。ただし、あまり神経質になっても唐辛子が焦げるだけなので注意。)
    ジュワーっとなって面白い
  6. 火から下ろし、自然に冷めたところで、(1)で紹介した一般的なごま油を追加して風味を付ける。最初から入れないのは、熱で胡麻油の風味が飛ばないようにする工夫。
    オレンジ色の憎い奴
    美味しい美味しいラー油の完成! 一度味わったら市販のものでは物足りなくなる悪魔の液体だ!

 さて、前回俺がラー油をダメにした理由だが、おそらく材料の唐辛子の風味が落ちていたせいだと思われる。余った唐辛子は冷蔵庫で保存しようね!

※注) 朝鮮半島に唐辛子を持ち込んだのは、日本人なんですと。戦国時代、秀吉が朝鮮出兵(というか侵略)した際に、食べ物の保存や防寒対策のために持ち込んだものが、彼の地で根付いたとのこと。明らかに韓国産の唐辛子の方が、味に深みがあるのだが、長年の間、多少の品種改良もあったにせよ、基本的には日本の唐辛子と変わらないらしい。朝鮮半島の気候、土壌が大きく影響するのか、韓国唐辛子を日本で栽培しても美味しくならないし、日本のものを韓国で育てると風味が増すとのこと。何にせよ、朝鮮半島の食文化に日本が多大な影響を与えていたとは感慨深い。あの侵略がなければ、今頃、美味しいキムチを食べることが出来なかったかも。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

2005/04/17

○○計画!

 極秘裏に行われた我が家のある計画が、この度、情報公開されることになった。その名も「豆苗倍増計画」! これに比べれば、所得倍増計画も○○クローン計画も、屁みたいなものである。

 世の中には豆苗という食い物(というか野菜)がある。
奇跡の食材「豆苗」!
クセのない、生で良し、炒めて良しの便利な野菜だ。とりあえず食う。そして残ったのは、根っこだけになった無惨な姿。ありがとう豆苗君、美味しかったよ。チーン南無南無。
俺は君を忘れない。

 ところがだ、嫁に言わせると、この豆苗って奴は「二度食える」とのこと。

「どういう事なの!?」

俺は嫁から大変なことを聞いてしまった。あることをすると、豆苗は再生してしまうのだそうだ! その、あることとは?

水だ! 水をかけろ! 水をかけて窓際あたりに置いておけ! 水だ! 水をかけろ! 水をかけて窓際あたりに置いておけ! 水だ! 水をかけろ! 水をかけて窓際あたりに置いておけ! 水だ! 水をかけろ! 水をかけて窓際あたりに置いておけ! 水だ! 水をかけろ! 水をかけて窓際あたりに置いておけ!

 十日間の映像↓
驚異の映像を見よ!
夏場なら、もう少し成長が早いと思われる。

 皆様のお宅で実行する時は、包丁に気をつけ、手を切らないよう、注意しなければならない。無事成功を祈る。
 なお、このブログは三秒後に.......。

 ネタ切れ状態の俺であった。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2005/04/06

北海道あれこれの3

 北海道の釧路にて、取れたてのサンマに舌鼓を打つ俺であったが。

 前回からの続き。
 “さんま苦いか塩っぱいか~” なんて歌(「秋刀魚の歌」佐藤春夫:作)もあるように、サンマの腸(ワタ)は苦いものだ。この味は子供には分らんだろうが、慣れてしまえばこの苦味を味わわないとサンマを食った気がしない。ところが、ここ釧路で食べたサンマの腸はクリーミーで、苦味など微塵もなかった。(旨っ!)何に例えようか。そうだな、カスタードクリームの食感だが、決してベタ付かずあくまで軽い。味は鱈の白子とアンコウの肝の良いところを掛け合わせたとでも言おうか、くど過ぎず、ほのかに甘い。とにかくサンマのイメージが変わるほどの衝撃だった。(新鮮とはこういうものだったのか。)
 いい加減腹もふくれてきたところに大振りのサンマを食べた俺であったが、初めての旨さに欲を出してもう一本手を出した。頭を丸ごと食べた後、腹の部分を箸で開いて中を確かめる。いつもなら暗灰色または褐色であるはずの腸が、見事にクリーム色であった。繰り返すが、新鮮とはかくも凄いことであったか。
 一通り納得した俺は、腹のふくれ具合からも、これが今日の最後の食べ物だと思いながら、サンマにかぶりついた。もうその頃には、“サンマの腸を食べる珍しい奴”という話しが周りに伝わっていたようで、数人の好奇の目に気付きながらも、俺は満面の笑みを止めることが出来なかった。

 最近覚えた料理に「サンマのわた焼き」というのがある。割烹店でお酒を飲むような飲んべぇなら、ご存知かも知れない。比較的新鮮なサンマを三枚におろし、腸を裏ごししたものに、酒、醤油、砂糖、卵黄などでのばしたタレを塗りつけて焼くだけだ。詳しい調理法はネットで検索して欲しい。手間はかかるが乙な食べ方もあったものだ。

 あぁ、あの釧路で食べたサンマで“わた焼き”やったら旨いだろうなぁ。

---つづく---

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/03/30

手抜き料理で文句あるか!

 通常我が家の食事は“おかず一品主義”が基本である。これは親父譲りで、いくつも皿が並ぶのが嫌いなのだ。小皿が沢山並んだ日には、目眩がしてしまう。まぁ、いくら一品主義とはいえ、肉野菜のバランスをとるために、具だくさんの汁物やサラダなどが追加されることもあるが、基本的に一品だ。
 今日、義兄が栃木から出張がてらに泊まりに来るらしいとのこと(結局来なかったが)。ところがこの義兄は“おかず沢山主義者”であり、テーブルは華やかに彩られなければ不満なのだそうだ。頻繁に来訪するのであれば、問答無用で我が家の流儀に従ってもらうが、そこは偶の来訪である、多少は先方の趣味も考慮して然り。(あ、ここで誤解があっては困るが、義兄はよその家に訪問する際、おかずの数を強要するような厚かましい人間では決してない。)我が家への到着はおそらく深夜となるはず。食事は済ましてくるのか、そうでないのかもよく分らん。到着してからチャッチャと出来るもの以外に、何か酒のつまみ兼おかずになるようなメインディッシュを作っておくことにした。

 じゃじゃ~ん!「鶏肉の四川風煮込み」である。↓
鶏肉の四川風煮込み
今回、ついでにブログで紹介するのは、これが超手抜き料理だからである。


材料

豆板醤(トウバンジャン):適量

甜麺醤(テンメンジャン):適量

豆鼓醤(トウチジャン):少々(無くてもいいよ)

ガラスープ:適量(骨付き鶏肉を使うなら水でもいい)

紹興酒または日本酒:適量

香味野菜(注):適量

ニンニク、しょうが:適量

鶏肉:好きなだけ

砂糖、みりん(無くてもいいよ):適量

塩、醤油:適量

作り方は簡単。出来れば底の平たい鍋を用意し、

  1. ガラスープ(または水)を入れる。

  2. ↑に豆板醤、甜麺醤、豆鼓醤、紹興酒、香味野菜、ニンニク数片、ショウガをいれ強火にかける。

  3. 塩、醤油、砂糖などで味付けするが、最終的に汁気が飛ぶまで煮込むので、薄目の塩加減にしておく。目安として、煮詰まった時に、ウナギの蒲焼きのたれ程度の濃さ、味になるようにする。

  4. ↑が沸騰したら鶏肉を皮目を下に入れる。写真下(1)

  5. アルミ箔などで落としぶたをし、続けて煮込む。写真下(2)

  6. 基本的に火加減は強め、肉を焦がさないように気をつけながら煮詰めて行く。

  7. 汁気が無くなったら完成。

煮汁が少なくなれば完成。

 包丁さえ使わない。ニンニクなど皮もむかずに投入すればよし、ショウガはスライスしたくなければ皿の底でつぶしてぶち込め。これはもう、一旦火にかけたら煮詰まるまで放っておいても良い簡単料理なのだが、途中で気になる神経質な人はアクを取ってもよい。

※注)香味野菜:セロリの葉っぱの部分、長ネギの青いところ、にんじんの端っこ等。普段捨てちゃう部分で結構。

PS. おお!義兄から連絡あり。やっぱ来るってさ。(31 日、深夜 12:05)

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2005/03/23

禁断の味!の3

 一人暮らしの人間にとって、安く食える食堂の存在はありがたいものだ。みすみすこれを失ってはなるものか、と、もう一度確認の意味を込めて、その店に向かった俺であった。

 前回からの続き。
 俺は店に入るなり、今度は迷わずトンカツ定食を注文した。それを耳にした厨房のオッチャンが、(むっ、来たな!)といった表情でこちらを一瞥する。まるでこの間の再現のようだ。否応にも緊張感が高まる。
 しばらくして件の皿が運ばれてきた。きつね色のそれを眺めた後、決心して箸でトンカツを一切れつまみ上げる。そして食い入るように断面を確認した。眼が釘付けになった。なんと、肉の断面がまたしてもピンク色なのである!レアなのである!半生なのである!(なにぃっ?!)うろたえた俺は箸でトンカツを挟んだ手のまま、これを調理したオッチャンに顔をむけた。すると、またあろう事か、それまで俺の様子をうかがっていたのか、オッチャンと目と目が合ってしまった! またあろう事か、目があった瞬間、オッチャンは慌てるように目を伏せやがったのだ!(えっ? 毎度毎度、その態度ってどういうことっ?!)
 それ以降、オッチャンは二度と俺の方に顔を向けることはなかった。俺はまたもや激しく動揺した。

 こんなもの食えるか!...とは言えない。理由は明白だ。この間のあの味を.......畜生!まだ舌が覚えてやがる!(おお!あの半生の美しいピンク色の断面からにじみ出るあの甘みよ。サクサクの衣と合いまったソースの酸味が、またそれを引き立てるに違いないのだ。おお!あの肉の感触よ、あの歯触りよ.....。食うべきか、食わぬべきか、.......俺は、.......俺は.......?)
 食った、結局食ってしまった。残さず一気に食った。きれいに平らげた。馬鹿野郎!旨かったのさ!(涙)

 食後即座に金を払い、そそくさと店を出た。もうこの店には二度と来るまい。俺は一抹の寂しさを覚えた。

---おわり---

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2005/03/19

それだけは言うな!

 夕食を作るのは俺の日課であるし、苦にするどころか、むしろ料理は好きな方だ。しかし、世のお母さん達と同じく、毎日の献立には苦労している。.......やはり苦になっていると言うことか。

「今日は何を作ろうかしらねぇ...。」

この台詞を聞いた子供、旦那、あるいは嫁は、直ちに食べたいもの、または食べたくなくても何かしら応えなければならない。これは決まり事だ。間違っても「なんでもいい。」などと言ってはならない。

 さて、とりあえず、食ったことがないもの以外は、何とか作れる自信もある。つまり、味はともかく結構なんでも作れるはずだが、いざ作るとなると何も思い浮かばない。今日、何を作るか、それが問題なのである。そういうわけで、嫁が職場の飲み会、同僚との旅行などで家を空けようものなら、積極的に送り出すことにしている。

 TV の料理・グルメ番組はレパートリーを増やすのに参考になる。そのうち料理番組の方はレシピが紹介されるので問題ないが、グルメ番組にはちょっと困っている。リポーターの質が低すぎるのだ。あいつらは料理の味を表現するのに「おいしい!」、肉の旨さを表すのに「やわらか~い!」、...この二言しか知らんらしい。これには参る。最初のうち(俺は結婚するまで TV の無い生活を 10 年以上送っていた。)こそ物珍しくて何とも思わなかったが、最近は非常に腹立たしく思えてきた。おまえらプロとしての自覚はあるのか、と。お陰でこっちは何の参考にもならんわい。

 俺は開高健(かいこうたけし)という作家を敬愛している。作品は元より、豪快奔放に人生を全うした人であったが、実は誰より自身を律しなければ、そのようなライフスタイルを実現することは出来なかったのではあるまいか。破滅型の天才などは、それが出来ずに夭折してしまうのであろう。破天荒に人生を“全う”するのに必要な資質は天賦の才ではなく、何か後天的なものである気がする。氏は、食に限らず、それらの官能の極北を知りながら、その奔流に溺れる事無く元の日常に戻ってこれた。.....とても無理だな、俺には。
 氏の作品の中で好きなものをいくつか挙げよと言われれば、まず「オーパ!」シリーズを選ぶだろう。和・洋・中に精通した料理人を従え、当時秘境と呼ばれた場所へ釣りに出かけた際の手記である。「釣った魚は食う。」その姿勢に大変共感するが、それに対する氏の骨身を惜しまぬ打ち込みぶりが凄まじい。基本的に食材は現地調達である。そりゃそうだ、釣った魚を食おうというのだから。しかし、氏はその魚を単なる釣果としてはとらえていない。釣り糸を通して命の会話を交わした相手を、敬意を持って出来る限り旨く食おうとする。料理人を従えるのもその一環であり、毎回現地まで空輸される調理器具、調味料、補助食材の総量は常軌を逸している。(おっと、前置きが長くなってしまった。ま、「オーパ!」に関しては、興味があれば読んでみて欲しい。)
 今回俺が言いたかったのは氏の表現力の素晴らしさだ。氏は食を語る時、「美味しい」という表現を封じた。自身の受けた感動を決して陳腐な一言で片付けることなく、読者へ“伝えよう”と全霊を傾けた。その文章は最早芸術であり人類の叡智である。ちなみに「まったり」という表現を最初に用いた(創作した)のは氏であったと記憶する。言葉まで創出するとは誠に恐れ入る。


 .........だからさ、単に「おいしい!」だの「やわらか~い!」だのはさ、止めてくんないかいっ!

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2005/03/11

北海道あれこれの2

 続くかどうか分らなかったこのテーマ、もう一回くらいは引っ張ってみようかと.......。

 ところが、いきなり北海道から話題は逸れてしまうわけです。(笑)
 先日、どっちの料理ショーという TV 番組で、きりたんぽ鍋が紹介されていた。秋田名物ですね。見ていたら食べたくなっちゃったので、さっそく我が家でも夕食で作ることにしたのです。具材には“芹(セリ)”が欠かせないそうで、しかも根っこが旨いとか。普段なら捨ててしまうところですが、あえて挑戦して食べてみました。おお! シャキシャキした歯応えがたまりませんな! これから芹の根は捨てずに食べようと思います。しかーし! 嫁が職場でそのことを秋田出身の方に話すと、「そんな土臭いところは、普通食べない。」と、アッサリ言われたそうです。意外とそんなものかもしれません。

 さて、北海道に話しを戻そう。
 十年くらい前、帯広で出張を終えた俺は、折角だからとそのまま観光を決め込むことにした。旅費が浮くだけでも儲け物だ。以前から行ってみたかった釧路湿原へ行くことを、出張先の会社の方に何気なく話すと、なんと、釧路支店へ帰る社員さんを紹介してくれて、その方の車で送ってもらえることになった。(ラッキー!)ありがたい話しである。
 通常、仕事が終わった頃には、既に日が暮れていることが大半だ。移動すると言っても北海道の夜は暗く、本来なら眼前に広がっているであろう悠然たる風景も、いつもは暗闇の中。ところがその日の仕事終わりは昼過ぎだったので、釧路へ向かう車中、俺は北海道の風景を十分に満喫することが出来た。
 連日の寝不足で疲れていたのか、いつの間にか寝てしまっていたらしい。同乗者に起されて気が付くと、既に釧路の営業所に到着していた。お礼を言って別れようかと思っていたら、折角だから所内で行われているバーベキューに参加してくださいとのお誘いを受ける。それはさすがに厚かましいので断ろうとしたが、人数も社員の家族を含め、50 人前後参加しているので、一人二人増えようが減ろうが態勢に影響はないとのこと。そんな風に、こちらに遠慮させまいと、色々お気遣いさせるのも逆に失礼かと思い、飛び入りさせてもらうことにした。
 地方に行くと食べ物がやけに旨い。それは喜びであると同時に、普段、自分が食っているものは一体何なのかと、その度に思い知らされる。北海道は特に顕著だ。頭に来るほど食い物が旨い。肉も魚も野菜も何もかも旨い。しかも出張で行ったりすると、現地の方が、さらに美味しいお店を紹介してくれたりして、時々信じられないほど幸福な思いをすることがある。と、まぁ、そこら辺は別の機会にすることにして、バーベキューでの話しに戻す。
 旨い肉、野菜を食らい、北海道最高! なんて思ってるうちに朝取れたてというサンマが届いた。見事としか言いようがない大振りの丸々としたサンマだ。さっそく網に乗せて焼く。時々ハゼながら焼けて行くその姿を見ているだけでも幸せである。ところが折角食べ頃になっても、誰も手を付けようとしない。地元の人にとっては珍しくも何ともないのだろう。(この贅沢者め!)な~んて、つい毒づきたくもなる。俺は遠慮無くサンマにかぶりついた。言い忘れたが、俺はサンマを頭から骨ごと食ってしまう。他人には、その光景を見られる度にビックリされてしまうので、なるべく人目を避けるように食べたつもりだが、50 人もいればどちらを向いても人がいる。案の定、一人の男性に見られてしまい、どうしてサンマを頭から食べるようになったのか説明する羽目になった。やれやれ。一通り説明した後、お楽しみの腸(ワタ)の部分にかぶりつくと、更に驚かれてしまった。これには予想外。どうやら地元の人はサンマのハラワタなど食わんらしい。「そんなの捨てるだけで、畑の肥やしにもしないぞ!」とのこと。こちらでは、漁で捕れた小魚などは、一々食わずに畑に撒いてしまうのだそうだ。サンマの腸を食うなど言語道断というわけか。


---なんだか長くなりそうなので、つづく---(笑)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/03/06

禁断の味!の2

 思い切ってトンカツ定食を注文した俺であったが.....。

 前回からの続き。
 俺は緊張した面持ちであっただろう。しばらくしてトンカツ定食が目の前に運ばれてきた。それは一見どうって事の無いもので、正直なところ失望の感があった。(何の変哲も無いなんて.....。)
 でもよく考えれば、トンカツ定食で有ることに変わりは無し、そもそも必要以上に期待していた俺の方がおかしいのである。気を取り直し、ソースをたっぷりかけ、トンカツを一切れ口に運ぼうとした時、俺の目はその断面に釘付けになった。なんと、肉の断面がピンク色なのである、レアなのである、半生なのである。(...これは豚肉だぞ!どういうことなんだ?)そう思った俺は箸でトンカツを挟んだ手のまま、これを調理したオッチャンに顔をむけた。するとあろう事か、それまで俺の様子をうかがっていたのか、オッチャンと目と目が合ってしまったではないか! またあろう事か、目があった瞬間、オッチャンは慌てるように目を伏せやがったのだ!(えっ? それってどういうことっ?!)
 それ以降、オッチャンは二度と俺の方に顔を向けることはなかった。俺は激しく動揺した。(果たして食って良いものか.....?)豚肉は生食に適さない。誰でも知ってる。これは調理ミスなのか? その割にはオッチャンの挙動は確信犯めいていたぞ。どうする? 俺はどうしたらいい?
 普段の俺なら、激しく店に抗議するところだ。ところが何故か出来ない。店の雰囲気が原因なのか? そしてあろうことか、俺はその半生のトンカツを口に入れてしまった。今思えば魔が差したというか、何か抗うことの出来ない力が働いたとしか思えない。おそるおそる咀嚼する。......やがて噛みしめるように.....む?

(...旨い?.....なんと旨い?.....旨いのかっ!)

なんと!生の豚肉は旨かったのだ。レアであるからして十分にジューシーであり、普段感じる事が出来ないであろう、この肉の甘み、旨み。それがサクサクの香ばしい衣、ソースの酸味と絡み合い、豊かな味わいを醸し出す........の、だ、が、やはり頭の片隅では“生の豚肉は危険”という意識が根強く残っており、なおさら心は穏やかでない。
 心ここにあるのかないのか、なんだかんだ全てを平らげてしまった俺は、何も言えず料金を支払って店を出たのであった。

 幸いその後、腹をこわすこともなく数週間が経過。しかしその間、俺はその店に行くことが出来なかった。

(あれは調理ミスだよな? それともわざと?)

ずっと心に引っかかっていた。だがやがて結論に達する。希少であるが、世の中には生食出来る豚肉もある。無菌室で育てられた無菌豚という奴で、こいつの肉には雑菌が存在しない。しかし、それは高価であり。とてもあの安いだけの食堂が扱う食材ではないのだ。つまりあれは調理ミスだ。そういうことなら、いくら安いといっても、そこで食べることには抵抗が出てくる。トンカツすら満足に揚げることが出来ないなら、なにかその他に衛生面でも問題を抱えているかも知れないのだ。安いからといって、これは軽視できない。とはいえ、長いこと営業していたら、一度や二度の調理ミスは起こることだろう。俺としても、安く食べられる食堂を失いたくはない。

 ある日、俺は意を決して再度その食堂へ向かった。もう一度トンカツ定食を注文するのだ!


---つづく---

| | コメント (0) | トラックバック (0)